Executive Summary
- 交渉の基本用語であるBATNAとZOPAを覚えよう
- 交渉においてZOPAが存在しない場合は交渉の余地が生まれない
- 価値創造型では各論点におけるお互いの重要度を見極め、総合点で最大化を目指そう
交渉の第一歩は客観視すること
こばじゅんさん聞いてください。
友達の太田さんが結婚式の準備を始めているんですが結婚式の費用に懸念があるみたいで何か心構えがないかアドバイスしてくれって相談されています。
役に立つスキルとかフレームワークありますか?
そうだね〜、結婚式の準備段階ではネゴシエーションのスキルが結構役に立つよ。
まず自分たちがどんな結婚式にしたいのかをまずよく検討した上で夫婦でBATNA(バトナ)をすり合わせておき、契約前の段階で式場プランナーとのZOPA(ゾーパ)を把握しておくことが重要だね
バトナ?ゾーパ?
今回は交渉力・ネゴシエーションスキルに関するお話です。
ネゴシエーションスキルと聞くとビジネスシーンでは営業マンが取引先の担当者やキーマンと契約をする際に、如何に有利な条件で契約を結ぶか、というシーンをイメージしがちですがネゴシエーションは日常的に発生するものです。
例えば
- 友達と旅行先の行き先についてお互いの希望を出し合う
- 転職先の人事と年収について交渉する
- 嫁にお願いごとをする
などなど、何かを2人以上で決める・頼むといったシーンでこのネゴシエーションスキルを持っていると非常に役に立ちます。
また、ネゴシエーションについて「如何に自分の有利な条件にするか」といった勝ち vs 負け(or妥協)と理解している人もいますが、交渉においては必ずしも綱引きの状態になるとは限りません。
お互いWin-Winの形に落ちる、「価値創造型」の交渉もありえます。
その状況を客観的に捉え、論点は何か、どのような形で決着することがお互いの価値を最大化できるかを見極めていくことが大事です。まずは太田夫妻の例をみてみましょう。
それではまずはじめに交渉において重要なキーワード、「BATNA(バトナ)」「留保価値」「ZOPA(ゾーパ)」を抑えていきましょう!
太田夫妻の例のBATNAでは次のような図示となります。
相手とのBATNAを会話で予測する
さて、交渉においてBATNAとZOPAの意識は非常に重要です。
なぜなら相手のBATNA次第ではZOPAは存在しない可能性があり、その場合交渉の余地はありません。
例えば、太田夫妻はどんな条件を式場から提示されても絶対に300万円は譲れないと仮定し、さらに式場Aも絶対に350万円以下にはできないとしましょう。
するとお互いにBATNAとZOPAは次のような関係となります。
上記の関係にある場合、前述の通りZOPAは存在せず交渉の余地はありません。
一方次のように太田夫妻と式場Aにそれぞれ次のような思惑がある場合ZOPAは存在し、初期見積もり費用においてZOPAが発生する可能性があります。
このようにお互いどこに価値を見出すかによって、ZOPAが発生し初期費用の交渉余地が生まれます。
価値創造型でWin-Winを目指す
これまで初期費用のZOPAに注目してきましたが、両者の重要な論点は本当に初期費用のみなのでしょうか?
結婚式を例に取ると、たしかに費用は人生で大きな買い物に相当する金額です。
一方、人生に1度の大きなイベントということで、お金だけではなく如何に良い思い出を残すか、といった他の論点もあるはずです。
それは式場側にも同じことが言えます。事業である以上契約を結ぶこと、売上を上げることは重要なミッションである一方、顧客の満足度の最大化に努めなければ事業はサスティナブルなものにはなりません。
つまり、この交渉は初期費用をどちらで折り合いをつけるか、というより冒頭述べたWin-Winの関係を目指す、「価値創造型」の交渉といえます。
価値創造型では論点が複数存在します。この点に留意し自分とお互いの重要度を会話の中で把握することで、お互いの価値の合計が最大になるようなポイントを目指し、ZOPA内で落とし所を見つけていきます。
上記の点を意識しておくことで、よりお互いにとって最善な選択をしていくことができるでしょう。
皆さんも是非このフレームワークを意識してみてください。
以上、コバログでした。
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